【川崎の鮮やかな変貌。苦しみを乗り越え3連勝したワケ(1)】FW小林悠が嬉しそうに語った「強い川崎が戻ってきた」の感覚……「自分たちでチームを強くしている真っ只中にいる」の画像
FC東京戦での川崎フロンターレの小林悠 撮影:中地拓也

 4月は3分け2敗と未勝利に終わり、しかも最初の4試合はまさかのノーゴールだった。6月から7月にかけては引き分けが5試合も続き、この間はリードを奪いながらも2点差をつけられない試合展開がクローズアップされた。

 何よりもシーズンが折り返しを迎え、後半戦に入っても連勝が一度もなかった。苦戦を強いられ続けた川崎フロンターレがいま、鮮やかな変貌を遂げている。

 敵地・味の素スタジアムに乗り込んだ、11日のFC東京とのJ1リーグ第26節。15分と20分にFW山田新が連続ゴールを奪い、72分にはパリ五輪帰りのDF高井幸大が追加点をあげた川崎は、3-0の快勝で多摩川クラシコを制した。

 これで3-2とゴールの奪い合いを制した中断前の柏レイソル戦、3-0で快勝した中断明けのヴィッセル神戸戦に続く3連勝。いとも簡単にゴール欠乏症も、2点差をつけられない悪しきパターンも、そして連勝できない壁をも乗り越えた。

 何が川崎を変えたのか。これまで獲得した7つのタイトルのすべてを知る36歳のベテラン、FW小林悠は「強い川崎が戻ってきた」とうれしそうに語る。

「勝てないけど負けてもいない、といった苦しい時期を全員で乗り越えられたのが大きかった。あの時期にもし試合に負けるとか、うまくいかないからといって腐っていくような選手がいたら、この状況は訪れなかった。いまは若い選手たちが成長しながら、自分たちでチームを強くしている真っ只中にいる。これまで足りないのは自信だけだった。試合に勝つのは本当に大変だけど、ひとつ勝ったなかで勝利への欲やこだわりといったものを、若い選手たちが身につけてきていると思う」

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