■堅守速攻が最大の売り
その反面でチャヴリッチの負傷という懸念材料も生じている。彼が再開後のどの段階で復帰してくるかで得点力は大きく変わる。17歳の徳田誉も徐々に存在感を発揮しつつあるが、鈴木優磨依存状態ではどこかで躓きかないとも限らない。クラブ側が補強に動くかどうかが気になるところだ。
4位・神戸に関しては、6月の代表ウイーク明け以降、2勝3分1敗と勝ち切れない状況が続いているのが気がかりだ。とりわけ直近20日の名古屋グランパス戦はケガで長期離脱中の酒井高徳、今季リーグ戦初のベンチ外になったキャプテン・山口蛍の不在が響き、シーズンワーストの3失点を喫している。
吉田孝行監督が構築してきた神戸というチームは堅守速攻が最大のウリ。失点を最小限に抑え、大迫勇也、武藤嘉紀ら決定力ある前線のゴールで勝ち切るというスタイルで昨季頂点をつかんでいる。そのベースが崩れてしまったら連覇には手が届かない。それは指揮官も選手たちも肝に銘じている点だろう。酒井高徳が再開後も復帰できない分、彼ら代表経験者に頼らない強固な守備組織を作っていくことが肝心ではないか。
そして5位の広島も川村拓夢(ザルツブルク)、野津田岳人(パトゥム)らの移籍、荒木隼人らのケガも重なり、選手のやりくりに苦慮し、なかなか勝ち切れない時期が続いていたが、直近の7月14日のアビスパ福岡戦、21日のサガン鳥栖戦を連勝。勝ち点を40に乗せて中断期間に入ることができた。