■「本来のサッカー」を取り戻すよりも…
欧州には、ブンデスリーガで10連覇という快挙を成し遂げたバイエルン・ミュンヘンのように、長期間強いチームを保ち、勝ち続けるクラブがある。だが、それが成し遂げられたのは、同じ監督の指揮下であっても、常にチームをイノベーションしてきた結果にほかならない。よりレベルの高い選手を獲得してチーム内の競争を保ち、新しい戦術にチャレンジして、チームを変え続けてきた結果なのである。
今季の横浜FMと川崎を見ていると、そうした要素があまり見えてこない。「何とかして本来のサッカーを取り戻そう」という方向性に終始しているように見えてならないのである。それが現在の順位として表れているように思う。
シーズン中の「イノベーション」は簡単ではない。しかし、不可能ではないし、それができなければ、2クラブとも、現在とあまり変わらない順位でシーズンを終えることになるのではないか。選手の顔ぶれも。同じ選手でも、昨年までの力を保持しているとは限らない。思い切った若手への切り替え、ポジション変更、システムの変更など、できることはいくつもある。
横浜FMと川崎は、勇気を持ってチームのイノベーションを断行する必要がある。