J2リーグは6月第1週の試合で、前半戦の19試合を終えた。毎シーズン恒例の前半戦ベストイレブンを控えメンバー、監督とともに選定した。
選考基準として、13試合以上にスタメン出場していることを条件とした。出場試合数や出場時間が似通っている選手が同じポジションにいる場合は、チームの成績が上位の選手をピックアップする。
頭を悩ませたのはシステムだ。前半戦を首位で折り返した清水エスパルスは、4-2-3-1を主戦術に3バックを併用する。2位ターンのV・ファーレン長崎は4-3-3を、3位の横浜FCは3-4-2-1を採用している。4位のベガルタ仙台、5位のレノファ山口FCは4-4-2で、6位のファジアーノ岡山は3-4-2-1だ。どのシステムにしても、うまく当てはまらない選手が出てきてしまうのだ。
そのうえで、3バックを採用した。理由のひとつは、4バックの右サイドバックに決定的な人材を見つけることができなかったことだ。同時に、FWに選ぶべき選手が多いことから、システムは3-4-3とした。(#FW・監督・サブ編)
FW エジガル・ジュニオ(V・ファーレン長崎)
前半戦19試合で11ゴールを叩き出し、得点ランキング単独首位を走る。PKによる得点はなく、ゴール前での圧倒的な決定力を見せつけている。174センチのサイズでヘディングシュートを5本決めているのは、ポジショニングの良さを表わしているだろう。昨シーズンJ2得点王のフアンマ・デルガドを控えにおけるのは、彼が好調を維持しているからだ。
FW 北川航也(清水エスパルス)
今シーズンは背番号をエースナンバーの「23」に変更し、秋葉忠宏監督にキャプテンに指名された。4-2-3-1の1トップに固定され、得点ランク2位タイの9ゴールをゲット。勝利につながる得点も多い。復活を遂げたクラブ生え抜きFWが、攻撃を力強くリードしている。
FW 小森飛絢(ジェフユナイテッド千葉)
大卒1年目で13得点を決めた昨シーズンに続いて、今シーズンもチームの得点源として機能。北川航也、谷村海那と並ぶ2位タイの9得点で前半戦を折り返した。得点パターンが多彩なのに加えて、フィニッシュの精度が高い。密集でも素早くシュート態勢を整え、ネットを揺らして見せる。前半戦7位からの巻き返しをはかる千葉を牽引するのは彼だ。
監督 下平隆宏(V・ファーレン長崎)
首位・清水の秋葉忠宏監督、いわきFCを進化させている田村雄三監督、昨シーズン20位のレノファ山口FCを5位でターンさせた志垣良監督らがインパクトを残したなかで、クラブ記録の16戦負けなし(現在も継続中)を記録した下平監督を選んだ。外国人選手の「個」の力を引き出しているのはもちろん、守備もしっかりと整備されている。また、ともに20歳のDF田中隼人、MF笠柳翼をスタメンに定着させるなど、若い人材も登用している。