■消化試合は新しい選手を使う「絶好の機会」
ただ、前記のように疲労をため込んだ状態を考えるのであれば、故障や疲労のある選手に無理はさせたくない。なにしろ、9月以降は月に1度、ヨーロッパから日本(あるいは、他のアジア国々)への長距離移動が控えているのだ。なるべく、オフ中に万全な状態に戻しておく必要がある。
たとえば、アーセナルの冨安健洋は2023-24シーズン序盤から故障がちだったが、アジアカップで無理をさせたために、その後も出場機会が増えず、ようやくシーズン終盤になってプレーが可能になったばかり。あまり、無理をさせる必要はない。
久保建英も、シーズン開幕直後は素晴らしいパフォーマンスを見せてゴールを量産していたが、アジアカップ以降は明らかに調子を落としていた。そして、5月末に行われた東京ヴェルディ戦でもハムストリングに違和感があって後半開始早々にピッチを後にした。ミャンマー戦ではベンチからも外れたが、状態が万全でないのならシリア戦も出場は回避する必要があろう。
出場が不可能な選手が多いのは、真剣勝負の場だったら憂慮すべき緊急事態ということになるが、すでに“消化試合”となった2次予選であれば、むしろ新しい選手を使うための絶好の機会と見なすことができる。
シーズンを通じて絶好調を続けた南野拓実のような選手はシリア戦でもぜひ見てみたいが、ミャンマー戦ではフラストレーションをため込んだであろう鈴木唯人をはじめとした若い選手たちが、活躍してくれることを祈りたい。