2024年のJ1リーグが、折り返し地点にたどり着こうとしている。20チームで臨んだ前半戦は、良い意味でも悪い意味でもサプライズがあった。また、後半戦の展望につながる新たな材料も見つかった。前半戦をいかに消化し、後半戦に昇華させていくのか、ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が徹底的に語り合った。
■「新入幕力士」がサプライズの大躍進
――序盤で首位に躍り出たJ1初昇格のFC町田ゼルビアが、首位に立ち続けています。
大住「シーズン開幕前にはまったく予想しなかったことで、ビックリだよね。勢いで首位に立つことはあるかもしれないなと思ったけれど、ここまで立ち続けるとは、本当にビックリしています」
後藤「今までにもJ1昇格1年目に優勝した例はあったけど、たまたまJ2に落ちたチームが戻ってきただけだった。今回は新入幕初優勝ですからね。大相撲春場所で、新入幕力士として110年ぶりに優勝した優勝した尊富士みたい!」
――序盤の頃と戦い方は変わりましたか。
大住「変わってきたというよりも、みな自信を持ってプレーしているよね 。J1で17試合を終えた時点で11勝するというのは大変なことなのに、短期間で成し遂げてしまったんだから」
後藤「ああいうハードワークをするとか、手を抜かないというサッカーは、少しでも自信を失ったり、信用できなくなったら、足が止まったりしてボロボロになるけど、結果が出ているんだから、みな一生懸命やるよね」
大住「これから暑い気候の中で、どこまでいくかは気になるところだけど、ケガ人も戻ってきて選手層もあまり心配ない様子なので、そんなに落ちないかな、という気がする」
後藤「ああいうサッカーは、足が止まりさえしなければ、調子が落ちていくということはないからね」
大住「リーグ戦での対戦が1巡して、皆ターゲットを絞った対策をしてくるだろうから、それに対して町田がどう受け止めて、どうさばいていくかがポイントだね」