【札幌戦で覚醒した川崎の元仏代表FWゴミス。周囲が明かすその凄み(1)】対峙した札幌DFが「経験の部分で背負うのがうまかった」と振り返り、同僚も予想外と語るプレーの画像
川崎フロンターレのFWバフェティンビ・ゴミスと遠野大弥は抱擁して喜んだ 撮影:中地拓也

 いい意味で期待を裏切られた。ホームのUvanceとどろきスタジアムに北海道コンサドーレ札幌を迎えた11日のJ1第13節。30分に生まれた先制点の背景を、川崎フロンターレのMF遠野大弥は「彼に選択肢を多く与えました」と明かす。

 彼とは1トップで先発したバフェティンビ・ゴミス。身長186cm体重90kgの巨躯を誇る38歳の元フランス代表を、今シーズン2度目の先発として送り出した鬼木達監督は、両ウイングやインサイドハーフにこんな指示を与えていた。

「バフェ(ゴミス)に当てて、中へ入っていく動きを意識するように」

 30分もプラン通りに動いた。敵陣の右サイドでFW家長昭博、DFファンウェルメスケルケン際と細かいパスを交換し、マークを外した遠野はペナルティーエリア内の右側にいたゴメスへパス。自らも内側にスプリントしていった。

 ゴメスは札幌のDF家泉怜依にマークされていた。しかし、ポストプレーに長けたストライカーは、185cm85kgの家泉に密着されても動じない。さらにゴミスの前方を遠野と家長が左から右へ、右側にはMF脇坂泰斗が縦へ動き出していた。

  1. 1
  2. 2
  3. 3