■「核」実験場と「人工衛星」発射場のあるカザフスタン
学者といえば、1997年のフランス・ワールドカップ予選でカザフスタンの当時の首都アルマトイに行ったときには、泊まっていたホテルのエレベーターの中で広島大学の先生たちと出会いました。放射能の影響を研究しているそうです。
被爆地にある広島大学は放射線の影響に関する研究を行っており、そのためセミパラチンスクの旧ソ連の核実験場を調査しており、広島大学の先生たちはカザフスタンにはしょっちゅうやって来るという話でした。
当時、ソビエト連邦を構成していたカザフ共和国のセミパラチンスクにソ連政府は核実験場を造り、合計で500回近く核実験を行いました。ここが選ばれたのは広大な無人の土地があり、万一のときもロシアには影響が少ないからでしょうか?
そういえば、ソ連時代に人工衛星を打ち上げた発射場もカザフ共和国にありました。バイコヌール宇宙基地です。世界最初の人工衛星スプートニク1号(1957年)やユーリ・ガガーリン少佐が乗った初の有人宇宙船ボストーク1号は、このバイコヌールから打ち上げられました。
セミパラチンスクはもう使われていませんが、バイコヌール宇宙基地は現在もロシア政府によって運営され、国際宇宙ステーションに向かうソユーズ宇宙船もここから打ち上げられ、JAXAの宇宙飛行士もここから旅立ちました。