【10節を消化して見せた、浦和レッズの変貌(1)】ヘグモ監督が「固定から発展」と説明する“チームの姿”……安居海渡と石原広教の得点コンビの“焼き魚定食での決起集会”の画像
浦和レッズの安居海渡 撮影:中地拓也

 特別な言葉は何も交わしていない。それでも、焼き魚定食に舌鼓を打ちながら、浦和レッズの安居海渡と石原広教はいつしか同じ思いを共有していた。

 名古屋グランパスをホームの埼玉スタジアムに迎える、J1第10節を翌日に控えた27日。さいたま市内の定食屋に2人はいた。ひとつ年上の25歳の石原が言う。

「一緒にご飯に行きました。特にそういう話はしていませんけど、雰囲気として『頑張ろう』という感じはありました。お互いに試合に出ていなかったので」

 名古屋戦へ向けた練習を通じて、石原は右膝の骨挫傷で離脱した酒井宏樹に代わる右サイドバックで4試合続けて、安居はチーム内の最激戦区となるインサイドハーフで初めて先発するのがわかっていた。定食屋は決起集会の舞台に変わった。

 浦和は2連敗で、ともに無得点で名古屋戦を迎えていた。3試合、211分ぶりのゴールが生まれ、浦和が先制に成功したのは24分。お膳立てしたのは石原。そして、ゴールネットを揺らしたのはそれまで無得点だった安居だった。

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