■大迫、山口、武藤、酒井が持ち帰った力で「優勝」

――若手が今シーズンの鍵でしょうか。

大住「若くて才能ある選手が伸びて、Jリーグの中心的選手になってきたら、もっと面白いリーグになるよね」

後藤「オリンピックの後には、何人かヨーロッパに行っちゃうかもしれない。そうなったら大迫勇也酒井宏樹といったベテランが爆発してもいい」

大住「ヨーロッパに行く選手は多いけど、そこにずっといなくてもいいんじゃないのかな、という例もけっこうあるんだよね。たとえばベルギーであまり試合に出られないようなら、帰ってきてJリーグで活躍すればいい」

後藤「イングランドやスペイン、ドイツで活躍しているなら、そのまま頑張ってほしいけど、いつまでもベルギーでくすぶっているなら帰ってきてほしいよね」

大住「僕の案では、ベルギーにいるのは3年まで。その間にドイツなどに行けなければ、帰ってきたほうがいい。若い選手が呼ばれてヨーロッパに行くのは構わないけど、もっと行き来があってもいいと思う」

後藤「京都サンガF.C.では、帰ってきた原大智が、これまでにない貢献の仕方を見せていたよ。背が高いからトップに置きたいところだけど、トップ下に入って足元の技術を活かすプレーを見せていた」

大住「彼は懐が深いから、なかなかボールを取られないんだよね」

後藤「そうやって新たな魅力に目をつけられたら、またヨーロッパに行けばいい。今は、Jリーグで活躍すれば、ちゃんとヨーロッパの人たちも見ていてくれる時代なんだから」

大住「シーズン制が変わったら、そういう動きがスムーズになるかもしれないよ。ヨーロッパに移籍して、期限付き移籍でJリーグでプレーするとか。そしてまた、調子が上がったらヨーロッパに戻るとか。ヴィッセル神戸を見れば分かるように、ヨーロッパでの経験はJリーグでの勝負にプラスになるよね。大迫勇也や山口蛍武藤嘉紀酒井高徳といった選手たちが持ち帰った力が、優勝につながったわけだから。サラリーなどの違いはあるかもしれないけど、サッカー選手はプレーしてナンボ。活躍できるところに行くべきだよね」

後藤「岡崎慎司にもシントトロイデンで引退しないで、清水エスパルスに戻ってきて1年でもいいからプレーしてほしかったな。乾貴士がそうしているけど」

大住「乾は素晴らしい活躍をしているもんね」

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