■アディショナルタイム表示は「大きな進歩」も…
前にも述べたように、20世紀末までは「アディショナルタイム表示」はなされなかったから、主審がアディショナルタイム(当時の言葉でいえば、「ロスタイム」)を取ったのかどうかは、主審以外には誰にも分からなかった(南米大陸では、早くから主審が指でアディショナルタイムが何分かを示すことが慣習的に行われていた)。
だから、現在のように観客やテレビの視聴者が「アディショナルタイムが何分か」が分かるようになったのは大きな進歩である。
だが、それにしても端数の扱いや、実際に笛を吹くタイミングなどは主審の裁量に任されており、ブラックボックス化しているのが現状なのだ。また、それぞれの国によっても違いがあるようだ。
このあたりの、微妙さ、曖昧さがベリンガムの事件を引き起こした原因なのだろう。