■AFCは「なんでも真似たがる人々の集まり」

 これも、AFCによる決定だ。彼らは、いったい何のためにこんな試合時間を設定したのだろうか?

 考えられる唯一の理由は開始時間をズラすことによって、テレビやネット配信の視聴者数を増やすことだ。UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)では、最近はグループステージなど何試合かが同日に開催される場合には、キックオフ時刻を変えることで2試合を生でテレビ観戦できるようにしている。

 UCLは世界中で大きな関心を集めるので、テレビ局や配信事業社にとってはキラー・コンテンツとなる。だから、キックオフ時刻をズラすことで多くの視聴者が生観戦の恩恵を受け、結果としてUEFAは巨額の放映権料を受け取ることができる。

 おそらく、AFCの“お偉いさん”たちは、そうしたヨーロッパでの事例を見て「ああ、こりゃあいいわい」と思って、それを真似したのだろう。

 AFCというのは、もともとFIFAやUEFAのやることを何でも真似たがる人たちの集まりだ。かつて、ACLでもUCLと同じように決勝戦を中立地での一発勝負にしたことがある。だが、中立地では観客が集まらずに大失敗に終わった。

 ACLの場合、第3国でテレビ放映やネット配信を視聴する人の数は限られるはずだ。それなら、試合開始時刻を変更するよりも、現地で観戦しやすい時間に試合を行ってスタジアムを訪れる観客を増やして試合を盛り上げるべきだろう。

 とにかく、AFCという組織の統治能力については、大きな疑問を感じざるを得ないのである。

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