攻撃陣がいい形を作るためにも、中盤や最終ラインが落ち着いた守備やゲームメークを見せなければならない。ここまでのベトナム・イラク戦を振り返ると、日本は球際や寄せ、空中戦といった個々のバトルに負けていた。
開始5分で失点したイラク戦も序盤のデュエルはほぼ勝てず、セカンドボールをいとも相手に拾われていた。菅原由勢(AZ)のいる右サイドの守備対応、パンチングが小さくなった鈴木彩艶(シントトロイデン)の反応ばかりに目が行きがちだが、試合の入りからうまく行っていなかったのは事実。そこを改善しなければ、苦境打開の糸口は見いだせないと言っていいだろう。
そういった状況だけに、インドネシア戦の守備陣のメンバーをどうするかというのは大きな注目点。とりわけGK鈴木を使い続けるのか否かが気になるところだ。
今大会にはパリ五輪世代の鈴木と野澤大志ブランドン(FC東京)、昨季J1制覇したヴィッセル神戸の守護神・前川黛也の3人が参加しているが、森保一監督も下田崇GKコーチも鈴木のポテンシャルを高く評価。経験不足を承知で使い続けてきた。彼を育てるためにはそのまま起用し続ける方がいいのかもしれないが、3戦目はGKを変えられる唯一のチャンスでもある。この先のアクシデントなども視野に入れると前川をここで抜擢するのも一案だ。指揮官の判断が待たれる。