■技術が光った美しいゴール
初戦のベトナム戦では、11分という早い時間帯に南野拓実が先制ゴールを決めながら、すぐに2失点して一時は逆転され、リードを許す展開となった。
いわゆる「嫌な流れ」である。
格下にリードを許したことで慌てて攻撃が空回りして追いつけないまま時間が経過したり、無理な攻めを繰り返す中でカウンターで失点……といった敗戦パターンも考えられたが、今の日本代表は格下相手の試合でリードされてもまったく慌てることなく戦って、前半のうちに逆転して見せた。
今の代表チームの強さの表われと言えよう。
それだけ、攻撃力に自信があるのだ。結局、試合終盤に1ゴールを加えて、4対2で逆転勝利をものにした。
攻撃面では素晴らしいパフォーマンスだった。4得点が、いずれも異なった形でのゴールだったからだ。
1点目(11分)はCKからのこぼれ球を菅原由勢がシュートして、ブロックされたボールを南野が冷静に決めたもの。2点目(45分)は遠藤航が相手に囲まれながら正確なボールを南野に付けて、南野が相手の股下を通すシュートを決めた。そして、3点目は中村敬斗が持ち前のシュート技術を発揮したコントロール・ショット。
いずれも、個人能力が際立った。
その後、後半に入ると、ゲームは支配しながら、なかなか追加点が決まらなかった。だが、最後は堂安律のパスを受けた久保建英が相手に囲まれながらターンして、上田綺世のゴールをアシスト。
これも、各選手のテクニックが生かされた美しいゴールだった。