■個人技以上に求められるもの
ゴールに直結するプレー以外でも、センターバックの谷口彰悟がドリブルで持ち上がるプレーも有効だったし、両サイドバックもオーバーラップやインナーラップだけでなく、中盤のサポートでも多彩なプレーを見せた。
そして、リバプールに移籍してから進境著しい遠藤からの正確で速いパスは日本の攻撃の厚みを増した。
遠藤のパスは南野の2点目に直結したし、4ゴール目も遠藤からまず佐野海舟に渡り、佐野が突破を試みた後のこぼれ球を再び遠藤が堂安に付けたところから始まったものだ。そのプレーのテンポの速さは、さすがに世界最高峰クラブのレギュラー選手である。
こうした、ヨーロッパの強豪クラブで活躍している選手たちのテクニックをもってすれば、アジアの相手から複数得点が奪えるのは当然のことだ。
だが、2年半後のワールドカップで上位進出を狙うのであれば、世界の強豪チーム相手に得点を奪わなくてはならない。日本代表の選手たちの個人能力は世界のトップと比べて劣るわけではないが、「個の力」によるゴールだけでは世界のトップと戦うことは難しいだろう。
「再現性のある攻撃パターンの確立」。それこそが、今、求められていることだ。