■寿司を食べられないイタリア人
それより10年ほど前、2002年に日韓ワールドカップが開かれた時のことです。
新潟での試合が終わって、僕は深夜の新幹線で東京に戻ることにしていたので(ワールドカップ期間中は深夜に新幹線が走っていました)、新潟駅前の寿司屋に入りました。新潟は日本海で取れる魚がおいしく、有名な銘酒もあるので、僕は寿司を食べるのを楽しみにしていました。
すると、寿司屋にイタリア人記者2人組がやって来ました。
1人は寿司好きで日本に来て寿司を食べるのを楽しみにしていたようなのですが、もう1人は同僚が勧めても「いや、生の魚なんて食べられない」と言い張っているのです。
そこで、隣に座っていた僕も見かねて、彼が食べられそうなメニューを選んだり、カウンターの職人さんと「火を入れて食べても美味しいネタは何か?」と相談したり、寿司職人とイタリア人記者の間の通訳を買って出ることになりました。
つまり、2002年当時は、寿司や刺身を食べられない西洋人がけっこういたというわけです。