2023年、日本サッカー界は成長を続けた。ドイツ、スペインを撃破した2022年のカタール・ワールドカップに続き、アウェイの地でリベンジに燃えるドイツを返り討ちにするなど、世界を驚かせ続けた。その成長は、2024年も続くのか。日本サッカー界の成長への期待と、そのために必要なポイントについて、ベテランサッカージャーナリストの大住良之と後藤健生が、年をまたいで燃え盛る激論を交わした。
■五輪世代への期待
――パリ・オリンピックも楽しみですが、さらに興味深いのは、その世代の大会後のフル代表への本格合流です。
後藤「2016年のリオ五輪の頃には、その次のワールドカップには誰も出ないような状態だったけど、今は五輪に出た2年後のワールドカップには出られるよねと、やっている方も見る方も考えるようになったよね」
大住「以前はワールドカップのメンバーになるのは、五輪メンバーになった6年後だったからね」
後藤「今はフル代表も五輪出場チームも日本人監督だから、非常に風通しも良いだろうし期待できるよね」
――後藤さんはかねて、藤田譲瑠チマを高く評価していました。
後藤「東京ヴェルディから横浜F・マリノスに行って、ちょっと伸び悩んじゃったかな。惜しいことをしたよね」
大住「後藤さんはU-17ワールドカップの取材でインドネシアに行っていたから見られなかったけど、11月のU-22アルゼンチン代表との試合では良いプレーをしていたよ」
後藤「そうらしいね」
大住「その試合のメンバーで僕が良いなと思ったのは、サイドアタッカーの松村優太。準優勝したアジア大会では、抜群に良かったんだよ。決勝では韓国に負けたけど、他の選手がうなだれている中でもただ一人戦っていた。伊東純也に似たタイプで、守備も黙々と全力でやるし、前に出たら思い切りプレーする。期待できる選手だと思うけどな。残念ながら所属する鹿島アントラーズでは、サブが多かったけど」