■日本に必要な育成ポリシー
後藤「育成年代は今のペースで続けて、大人になってから伸びれば良しとするのか、それとも16歳、17歳でどんどんプレー強度を上げて鍛えた方が良いのかは、議論すべきだよ。どちらが良いとはなかなか言えないところがあるけど」
大住「それは非常に重要なポイントだと思う。日本のサッカーとしての割り切りが必要だと、僕は思うんだよね。16歳でアフリカ系のフランス代表選手に負けないフィジカルを備えるなんて無理だよ。だからもっと違う、頭の中身やアイディア、テクニックなどを伸ばして、その年代で対抗できなくても仕方ないし、その次の3年くらいで逆転すればいいんだという、日本サッカー界での共通理解を持った方がいいと思う。僕の考えが正解だとは思わないけど、何かしらの育成ポリシーをもっと明確にした方がいいと思うな」
後藤「パススピードを上げることは、間違いなく必要だろうね。個で劣ってもU-17日本代表がなぜ世界で勝負できたかというと、チームという組織で戦うとか、規律を守るとか献身的なプレーをするということが、男女問わず、あらゆる年代で日本のストロングポイントとしてあるからだと思う。そこは間違いなくこれからも維持すべきだし、もっと伸ばしていくべきなのは間違いないよね」
大住「オリンピックには出てほしいし、上位に行ってほしい。でもメダルに届かなかったとか、優勝できなかったとか、ベストいくつで止まったという悔しい思いをワールドカップにつなげる選手にどんどん出てきてほしい。あるいは五輪メンバーに選ばれなくても這い上がってくる選手がいる。ワールドカップ最終予選の頃にはそういう日本代表であってほしいよね」