■ACLを象徴したグループG
山東泰山FCは横浜F・マリノス戦に敗れても大量失点をしなければラウンド16進出が濃厚という条件だったので、かなり守備的な戦い方を選択してきた。
その結果、試合開始直後から横浜FMがボールを握って攻撃を繰り返すものの、なかなか山東の分厚い守備網を突破できない展開が続いた。だが、前半のアディショナルタイムにエウベルがうまく相手守備ラインの裏に飛び出して先制すると、後半も2点を追加して目標の「3点差での勝利」を達成した。
「複数得点が必要」という試合だったが、なかなか相手を崩せない中でもけっして焦ることなく、攻め急ぐこともなく、しっかりとリスク管理しながら焦れずに攻めて3ゴールを奪った試合運びは見事だった。
3点差とした後も、変に守りに入ることなくしっかりと戦って目標を達成。横浜はFM、J1リーグでは終盤に失速し、最終節を待たずにヴィッセル神戸の優勝を許してしまったが、ケヴィン・マスカット監督のラストゲームともなった、この山東との最終戦は素晴らしい戦いだった。
いずれにしても、横浜FMが勝ち抜いたグループGの戦いは、日本は韓国に弱く、韓国は中国相手に取りこぼすという今回のACL全体の流れを象徴するような結果だったのだ。
韓国のクラブは中国相手には1勝1分2敗。一方、日本は中国相手に4勝1分1敗という成績だった。