■大きな懸念材料
しかし、グループステージの戦いを振り返ってみると、日本のクラブにとって一つだけ大きな懸念材料がある。
それは、日本のクラブが韓国相手に勝てていないことである。
2023/24シーズンのグループステージで日本と韓国のクラブが対戦した試合は全部で6試合あったが、勝利したのは川崎フロンターレが蔚山現代とのホームゲームに4対2のスコアで勝利しただけ。川崎はアウェイでも蔚山と2対2で引き分けた(天皇杯決勝から中2日の日程で大幅にターンオーバーを使った)。しかし、他の4試合はすべて韓国のクラブが勝っているのだ。
グループステージ突破に失敗した浦和は浦項スティーラーズに2敗したが、グループGを首位通過した横浜F・マリノスも仁川ユナイテッドとの試合ではホームでは2対4、アウェイでは1対2で連敗している。
では、それなのにどうして日本の3クラブが首位通過を果たすことができたのか?
それは、韓国のクラブが他の対戦相手に対して取りこぼしてくれたからである。とくに、韓国のクラブは中国との対戦で多くの勝点を落としている。
横浜FMのグループGでの戦いは、その典型ともいうべきものだった。
横浜FMは仁川に連敗を喫したものの、中国の山東泰山FC相手にはアウェイで1対0で勝利し、ホームで行われたグループステージ最終戦でも3対0で快勝した。
一方、仁川は山東に対して0対2、1対3と、ともに2点差で敗れたのだ。
このグループにはフィリピンのカヤFCも同居していたが、カヤは他のクラブとは実力差が大きく、全敗。その結果、横浜FM、山東、仁川の3クラブがすべて4勝2敗勝点12で並び、3チーム間の得失点差で上回った横浜FMが首位。そして、仁川が3位となって敗退となった。仁川としては、山東相手の連敗、ともに2点差を付けられての敗戦が大きく響いた形だった。
ちなみに、最終節の横浜FM対山東の試合(日産スタジアム)は「横浜FMが2点差以上で勝利すればグループステージ突破。3点差以上なら首位通過」という難しい条件での試合だった。