Jリーグクラブの2023年の試合がすべて終了したが、まだシーズン中のクラブもある。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)に参加しているチームである。日本からは3チームが決勝トーナメントに進んだが、忘れてはいけないのがライバル相手の苦戦だ。Jクラブの前に立ちはだかる「韓国」という壁について、サッカージャーナリスト後藤健生が考察する。
■アジアの勢力図
2023/24シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージが12月13日に終了。「16強」が出そろった。
国別に見ると、サウジアラビアから出場した4クラブはすべてラウンド16に進出。東アジアでは日本と韓国が3クラブずつ。その他、ウズベキスタンから2クラブ。アラブ首長国連邦(UAE)、イラン、中国、タイから1クラブずつが勝ち残った。
サウジアラビア、日本、韓国がリードする現在のアジアの勢力図をそのまま反映した結果と言えよう。
日本から出場した4クラブは、前大会優勝クラブとして出場した浦和レッズが最終戦でハノイにまさかの敗戦を喫して姿を消したが、それ以外の3クラブはJ2リーグ所属のヴァンフォーレ甲府を含めて各グループを首位で通過している。
勝ち残ったクラブ数ではサウジアラビアを下回ったが、サウジアラビアのクラブは「ファイナンシャル・フェアプレー」を無視した膨大な資金力を使ってチームを強化したものであり、日本は育成の成果として日本人選手中心で戦っているのだ。
しかも、日本の場合代表クラスの選手のほとんどがヨーロッパのクラブに移籍し、Jリーグクラブには残っていない。一方、サウジアラビアは代表選手のほぼ全員が国内クラブに所属しているのだから、そうした状況を考えれば日本から3クラブが勝ち残ったことは誇ってよい事実である。