■平坦ではないJFLへの道のり
こうした、各カテゴリーの昇格争いの中でも最も厳しい戦となるのが各地域リーグから全国リーグであるJFLに入るクラブを決める大会、「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(以下、地域CL)」である。
栃木県宇都宮市で開かれていた地域CL決勝ラウンド最終戦が、J1昇格プレーオフ準決勝と同じ11月26日に行われた。4チーム総当たりの決勝ラウンドだが、2試合を終えた時点で4チームがすべて1勝1敗で並ぶという大混戦となっていたが、最終日には栃木シティFCとVONDS市原(千葉県)が勝利した。
今シーズンのJFLは、開幕直前に経営難に見舞われたFC神楽しまね(島根県)の不参加が決まり(クラブはその後解散)、15チームで行われていたため、来シーズンから再び16チームに戻すために栃木シティは自動昇格となり、V市原はJFL最下位の沖縄SVとの入れ替え戦に臨むことになった。
さて、その地域CL。全国9地域リーグの強豪クラブが集まってJFL昇格を決めるきわめて重要な大会なのだが、システムは複雑で、また非常に厳しい日程で行われる超難関なのだ。
全国各地には、将来のJリーグ入りを目指すクラブがたくさんある。近い将来のJリーグ入りを狙うクラブから、“遠い将来の夢”というクラブまで、その“本気度”はさまざまなのだろうが……。
そうしたクラブがまず目指すのがJFLである。J1リーグから数えれば、4部リーグ相当のリーグである。
ここまで辿り着けば、チームを強化し、クラブ経営を改善し、自治体の協力を得て(あるいは自前で)スタジアム整備を行っていけば、いつかJリーグ入りを迎えることができる。
だが、地域リーグからJFLへの道は平坦ではない。
全国には9つの地域リーグがあるから、その9リーグの優勝チームの中から全国リーグへの昇格チームを決めなければならない。そのために存在するのが地域CLという大会だ。