2023年の日本サッカーは、各カテゴリーでシーズンの佳境に突入している。決してトップクラスのカテゴリーではないが、超難関として知られるのが「地域チャンピオンズリーグ」だ。その重要性と課題を、サッカージャーナリスト後藤健生がつづる。
■懐かしい顔ぶれ
11月26日、「J1昇格プレーオフ準決勝」が行われた味の素スタジアムには両クラブとは直接関係のない方も含めて多くのサッカー関係者が集まり、また、古くからJリーグを取材しているプレス関係者の顔も数多く見かけた。
東京ヴェルディとジェフユナイテッド千葉という、いわゆる「オリジナル10」のクラブが出場したからなのだろう。
東京Vの前身は読売サッカークラブ。1970年代から、それまでの実業団チームとはまったく異なったスタイルのサッカーで人気を集めたクラブだ。一方、千葉の前身は古河電工サッカー部。1950年代に実業団サッカー全盛時代の草分けとなったクラブである。
こうした伝統のあるクラブが出場したからこそ、準決勝は盛り上がった。
そして、ボール際での競り合い強さを生かした東京Vの守備力が千葉の勢いを制して東京Vが勝利して「決勝」進出を決めた。決勝の対戦相手はやはり「オリジナル10」の清水エスパルスで、舞台は東京・国立競技場だ。
Jリーグが発足直前の1992年に旧国立競技場で行われたJリーグカップ(ヤマザキナビスコカップ)決勝で対戦したのをはじめ、Jリーグ初期の主役だったチーム同士の戦いとなったので、12月2日の国立にも古くから見知った顔が多数集まることだろう。