■「あれが入っていたら」と振り返るシュート

 マチェイ監督はシステムやビルドアップのベースなど、前体制から引き継いでいるものも多いが、大きく変わったのが二列目の選手に求める縦の意識だ。特に”10番”と呼ばれるトップ下の選手にはゴールやアシストに直結する働きが沖縄キャンプから求め、小泉もそこに向き合って取り組んできた。

 ただ、本質的に小泉はボールを触りながら攻撃のリズムを作ったり、アクセントになるタイプの選手だ。個人で突破したり、飛び出すような仕事は大卒から浦和に加入して3年目の大久保智明などが、より得意としている。

 シーズン当初は二列目の中央と左サイドを大久保とシェアしながら、戦術的なタスクをこなしてきたが、なかなかゴールやアシストに絡む決定的な仕事ができなかった。「あれが入っていたら」と小泉が後々になっても振り返るのが、3月31日に行われた柏レイソル戦で、左足のシュートがぽ右ポストに嫌われたシーンだ。自分の持ち味とのギャップに向き合って、指揮官の求める”10番”を具現化しようとした小泉だったが、フィジカルとメンタルのバランスを崩す1つの要因になってしまった。

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