■「ここ最近は特にミスに対する恐怖心がすごくて」

 浦和にとってはシーズンのちょうど半ばの5月に強敵アル・ヒラルとのACLファイナルという超大一番を迎えたことも、まだチーム作りの途上にあるスコルジャ監督にとっても、スタイルの転換を求められた小泉のような選手にとっても難しい状況になったことは間違いない。

 5月6日に行われたACLファイナルの第二戦で、浦和はオウンゴールによる1点をもぎ取り、合計2―1で三度目のアジア制覇を成し遂げた。しかし、その反動も影響したのか、4日後のサガン鳥栖戦で0−2の惨敗を喫してしまう。その決定的な2失点目を招いたのは小泉のミスによるものだった。

「ここ最近は特にミスに対する恐怖心がすごくて。より慎重にというか、早めにボールをはたこうと思った結果、あのようなミスになってしまった」

 そう小泉は振り返る。鳥栖戦は浦和のパフォーマンスが悪く、自分たちはそのつもりがなくても、心身の疲れも含めて、うまくギアが入らなかったのもあるだろう。ただ、小泉に関してはACLファイナルの少し前から兆候は出てきており、全体のリズムが悪い中で、個人のミスとして象徴的に出てしまったように思える。しばらくして、小泉はコンディション不良を理由にチーム練習を離れたが、立て直すための時間が必要だったのも確かだ。

(取材・文/河治良幸)

(後編へ続く)

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