■危険を伴う「勢い」
この試合の前半の日本は、そうした形を何回も何回も繰り返し、相手陣から再び相手ゴールを目指した。この「強度」のレベルは、攻撃面で飛躍的に良くなった日本が、相手にボールを奪われた局面(攻撃から守備への切り替え時)でも、チームとして大きく成長したことを物語っている。
ただ、「強度」は「諸刃の剣」でもある。奪ったボールからそのままの勢いで相手ゴールに向かうと、うまくいけば破壊的になるが、勢いがつきすぎて攻撃のコントロールを失う。チュニジア戦の日本には、ときおりその傾向が見られた。微妙なパスミス(単なるキックミスとともに受ける側との意思疎通の欠如によるもの)が多かったのは、そのためだ。ただDF冨安を中心に前半のうちに「攻め急ぎ」はずいぶんなくなった。