サッカー日本代表の１０月シリーズの２試合が終わった。カナダ代表とチュニジア代表という昨年のカタール・ワールドカップ出場国を相手に、またも勝利を重ねた。この２試合から、今後へつながるどのような収穫と課題が見えたのか。２人のベテランサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が徹底的に語り合う。
■サイドバックの情勢変化
――この２試合で毎熊晟矢と菅原由勢がそれぞれフル出場した右サイドバックも、ポジション争いが激しくなるのではないでしょうか。
大住 カナダ戦では毎熊も本当に良かったけど、チュニジア戦の菅原を見たら、かなり抜けたなという感じを受けた。日本代表で絶対的な存在だった時期の酒井宏樹のレベルに達したか、あるいは超えたかもしれないなというくらいに、すごく良くなったよね。
後藤 逆サイドの中山雄太もすごく良かったけど、左サイドバックとして安心できる存在が中山だけだと、不安があるな。もうちょっと、いろいろなタイプの左サイドバックがいた方がいいよね。でも、最終ラインの他のポジションはどこの複数の選手がいるから安心だよ。町田浩樹も、想像を大きく超えるほどに良かった。ＣＢもそうだし、左サイドバックもうまくこなしたからね。ＣＢには冨安健洋と板倉滉、谷口彰悟とそろっているし、各ポジションに２人の先発候補がいるね。
大住 そうなんだよ。谷口も本当に堅くて良い選手なんだけど、３人目のＣＢ候補として、町田は急激に伸びてきたと感じた。試合の読みが良いのか、自信を持ってボールに行けていた。だから、ほとんどミスがない。
後藤 前はその辺りに、ちょっと不安があった。でも今は、自分が主導権を握って守備ができるようになった。
