■左SBは復帰の中山に

 GKには鈴木彩艶を起用したい。今回は大迫敬介前川黛也も招集されているが、まずは新天地シントトロイデンで定位置をつかんでいる21歳をテストする。国際Aマッチ出場経験のない前川は、所属するヴィッセル神戸のホームを舞台とする17日のチュニジア戦で起用したい。

 最終ラインは9月のトルコ戦に先発した毎熊、谷口彰悟町田浩樹の3人に、中山雄太を加えた4人で構成する。毎熊、谷口、町田をセットで起用するのは、直近の試合の感覚を生かすことで準備期間の短さをカバーしてもらうためだ。トルコ戦のパフォーマンスに及第点がつくのはもちろん、チームとしての機能を担保する意味もある。

 右SBの毎熊は、トルコ戦で大きな可能性を示した。とりわけ攻撃への関わりには目を引くものがあった。同サイドのMF堂安律やトップ下の久保建英の立ち位置を確認しながら、タッチライン際と内側のレーンを使い分けていた。

 今回は伊東純也を右サイドに置き、彼とのコンビネーションを確認してもらう。ウイングタイプの伊東との共存がアピールできれば、菅原の強力なライバルになってくるだろう。

 右CBの谷口は、GKも含めて国際Aマッチ出場数の少ないDFラインのまとめ役である。GK鈴木とは昨年7月の香港戦でともにプレーしており、当時の連携を生かすことで鈴木のサポート役も担ってもらう。

 左サイドバックには中山を選んだ。相手の攻撃を跳ね返す力があり、左足のフィードでビルドアップに関わることができる。CBを本職とする彼の左SB起用は、伊藤洋輝の起用と同じ意味合いを持つ。

 さらに言えば、長期離脱する以前の活動では三笘薫との縦の関係にスムーズさを見せていた。三笘が体調不良でチームへの合流を見送り、左サイドは中村敬斗と奥抜侃志となったが、このチームでのサイドバックの感覚を取り戻してもらうきっかけとして、カナダ戦では中山をスタメンに指名する。

【その(2)へ】
(2)へ続く
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