■フィールドプレーヤーはもれなく起用するべき
10月13日にカナダ、17日にチュニジアと対戦する10月シリーズは、11月に開幕する26年W杯アジア2次予選の「助走」の意味合いを持つ。公式戦が目前に迫っているわけだが、森保一監督が就任5年目を迎えている現在のチームは、すでに土台が出来上がっている。
11月開催のミャンマーまたはマカオ、シリアとの2次予選で問われるのは個々のコンディションで、チームのクオリティ、選手の組合せ、連動性などに不安はない。特別な準備をするまでもなく、勝利をつかみ取れる相手だ。
だとすれば、今回の2試合を新たなコンビネーションの構築や戦力のテストに使っても、2次予選に支障はないはずだ。カナダ戦はフレッシュなタレントを積極的に起用し、17日のチュニジア戦は主力を多く起用する、といった使い分けをしていい。
そこで、カナダ戦である。システムは4-2-3-1とした。セントラルMFを主戦場とする選手が6人いることから、4-3-3にも対応できる顔触れとなっているが、9月の2試合と同じシステムを採用した。
選手起用の基本的なスタンスとして、フィールドプレーヤーはもれなく起用する。それによってプレータイムを分散せざるを得ないポジションも出てくるが、実戦で起用してこそ各選手の現在地をはかることができる。より良い組合せも見えてくる。
たとえば、右サイドバックの候補には菅原由勢、橋岡大樹、毎熊晟矢が名を連ねている。カタールW杯後は菅原が多くのプレータイムを獲得し、彼はそれにふさわしいプレーを代表でも、クラブでも見せている。
つまり、菅原はすでに計算できる選手だ。今回については、毎熊と橋岡をスタメンで起用し、彼らがどこまでできるのかを最優先に確認する。菅原は途中出場からアピールしてもらう、という使いかたでいいだろう。