■開始早々の先制弾で清水は主導権を掌握
「超攻撃的」が、ついに一歩前へ出た。
J2リーグ第35節が9月16、17日に開催され、3位の清水エスパルスは21位のツエーゲン金沢のホームに乗り込んだ。
アウェイゴール裏がオレンジに染まるスタジアムで、清水はキックオフ直後から主導権を握る。J3降格圏に沈む金沢が3試合連続で前半に失点していることも加味して、試合の入りからパワーを注いだのだろう。
8分には狙いどおりに先制点を奪う。縦パスを追いかけたMFカルリーニョス・ジュニオが相手GKにプレスを仕掛け、右MF岸本武流も相手CBに食いつく。岸本が足を伸ばしてボールをカットすると、カルリーニョス・ジュニオへのパスとなる。ゴール前でフリーになっていた背番号10は、右足で難なくプッシュした。
早々に試合を動かした清水は、トップ下の乾貴士の立ち位置に連動して、周囲の選手がポジションを変えていく。乾がボランチ付近までポジションを落とせば、カルリーニョス・ジュニオが左サイドから中央へスライドする。それに合わせて、左サイドバック山原怜音が高い位置を取る。23分には乾が右サイドからボールを運び、外側から並走する岸本へパスを送る。ゴール前へマイナスのスルーパスが通ると、カルリーニョス・ジュニオがバーすれすれの決定的なシュートを浴びせた。
35分には追加点を奪う。右ショートコーナーからMF白崎凌兵がライナー性のクロスを入れると、相手選手のオウンゴールを誘発した。金沢に際どいシュートを浴びる時間帯もあったが、清水は前半を2対0で折り返した。