【日本代表、ドイツ・トルコ戦の検証(2)】冨安健洋が「僕らにとってはそれが当たり前になるべき」と強調する守備と試合運び。アーセナルと比較した“緩み”とはの画像
ドイツ戦に続き、トルコ戦では途中出場で守備を引き締めたサッカー日本代表の冨安健洋 撮影:中地拓也

 ドイツ・トルコ戦という強国と対峙した守備陣も大いに奮闘したと言っていい。

 前者は国内組の大迫敬介(広島)が最後尾に位置し、最終ラインは菅原由勢(AZ)、板倉滉(ボルシアMG)、冨安健洋アーセナル)、伊藤洋輝(シュツットガルト)の4枚。ボランチに遠藤航リバプール)と守田英正スポルティング)並んだ。序列が混とんとしているGK以外は現状のベスト陣容と言えた。

 トルコ戦の方はGK中村航輔(ポルティモネンセ)、最終ラインは毎熊晟矢(C大阪)、谷口彰悟(アルラーヤン)、町田浩樹(サンジロワーズ)、伊藤洋輝、ボランチに伊藤敦樹(浦和)と田中碧(デュッセルドルフ)という並び。中村が前半終了間際にケガをしてシュミット・ダニエルシントトロイデン)が出場。後半から橋岡大樹(シントトロイデン)らもプレーしたが、出場機会がなかった森下龍矢(名古屋)を除き、全員がピッチに立って欧州基準を体感できたのは大きかった。

 そこで異彩を放ったのが、2022年カタールW杯以来の代表復帰となった冨安。彼と板倉の両センターバック(CB)はカイ・ハヴェルツ(アーセナル)らドイツのタレントたちと対峙しても一歩も引くことなく堂々と立ち向かった。前半終了間際にレロイ・サネ(バイエルン)がフリーになりかけた場面でも体を当てて阻止。冨安らしい読みと駆け引き、強さをここぞとばかりに示したのである。

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