■遠藤航が途中出場でイメージしたこと
後半18分から出てきた遠藤は「ボールを持てる時間を増やしたいと思って、後ろとの距離感を近くしながらいつ前進するかを考えました。だいぶ間延びしていた状況ではあったんで、周りの選手とのバランスを考えながら、ブロックを敷く形にはなりましたけど、少しずつ修正していきながら下がりすぎない位置を取ろうとした」と修正を試み、それをスムーズに遂行したが、トルコ戦の守備陣はそこまでのゲームコントロールができない部分があった。それは今後に向けて改善しなければならないだろう。
攻撃陣が多彩な組み合わせで戦えるようになった分、守備陣も選手層を引き上げ、さまざまなメンバー構成で挑めるところまで持っていかないといけない。伊藤洋輝のみだった左SBを含め、まだまだ足りないポジションはある。そこは強調しておきたい点だ。
ただ、逆に右SBの方は菅原のクレバーさと推進力、守備の安定感がよく出ていたし、トルコ戦で初キャップを飾った毎熊も中村敬斗(スタッド・ランス)の3点目をアシスト。かつての内田篤人(JFAロールモデルコーチ)を彷彿させるセンスのよさを示すことに成功した。ボランチの伊藤敦樹らも含め、新たな選手が台頭してくるのはポジティブな要素。これからもそういった傾向が進めば理想的だ。
年内の森保ジャパンは10月のカナダ(新潟)・チュニジア(神戸)2連戦の後、11月から2026年W杯予選に突入する。9月シリーズとは相手のレベルも特徴も変わるが、スキを作らない守備はつねに求められるところ。冨安が言う高い基準を全員が具現化してほしい。
(取材・文/元川悦子)