■冨安健洋が語るスタンダード
攻撃面でも前半の2つのゴールは彼の左足フィードが起点となった。「今のトップレベルの選手は左足を使えて当たり前」と本人は涼しい顔で言っていたが、アーセナルで左サイドバック(SB)を経験していることもプラスに働いているのかもしれない。
トルコ戦も4-2でリードした後、クローザーとして出てきたが、冨安がいるだけで守備陣がピリッと引き締まる。彼の圧倒的存在感を誰もが改めて痛感したのではないか。
「3-0になった後、ちょっと緩みは出ましたよね。アーセナルでも同じような展開があって、前半は早くに2-0とかになって、ちょっと緩みが出て、結局2-1で終わって後味の悪さを感じるようなことが結構多い。やっぱり試合を殺しきる、決めきるみたいな展開に持っていかないといけない。それに勝ち癖をつけること。(次の)W杯まで3年ありますけど、全部勝てればいいし、それを目指さないといけない」とし、と本人も高いスタンダードを改めて示したのである。
そして、「僕らにとってはそれが当たり前になるべきだし、むしろ今日の試合は4-2で、スッキリ勝ったわけではないですし、その感覚というのは僕だけじゃなく、他の選手たちも持っていることは間違いないですし、そういう意味では本当にいい状況だなと思っていて、勝てばいいってものじゃないし、より上を目指しているからこそ、そういう空気が出る」とも力強く話した。
確かにトルコ戦後半の守備の混乱は回避しなければいけなかった部分。もちろん冨安・板倉・遠藤といったチームの重しが揃って不在だったこともあるが、ハカン・チャルハノール(インテル)らが出てきたことで主導権を握られ、ボールが奪えなくなり、後手に回ってしまったのだ。
「前半は切り替えが早かったし、奪えるところも奪えていたのでよかったけど、後半になって僕自身もやっぱり強度が落ちた中で球際で負けたりとか、奪われたりした。そこは課題」と代表初のキャプテンマークを巻いた田中碧は反省の弁を口にしていた。