■3試合連続のウノゼロ勝利
後半開始とともに、秋葉忠宏監督はシステムに手を加える。メンバーを入れ替えることなく、4-2-3-1から3-4-2-1へ立ち位置を変えた。ディフェンスの局面では5バックで構えるものの、「超攻撃的」な姿勢は貫く。
秋葉監督は交代カードも切っていった。60分、DF山原怜音とMF中山克広を下げ、DF吉田豊とDF北爪健吾を投入する。両ウイングバックの交代だ。
さらに69分、チアゴ・サンタナからFWオ・セフンへスイッチする。この交代が得点を呼び込んだ。
79分だった。自陣センターサークル付近でパスを受けた乾が、スルリと前を向いてタテパスを通す。これに反応したオ・セフンが持ち出し、相手CBを置き去りにする。ペナルティエリア内まで運び、GKと1対1の場面になる。自ら狙うこともできたが、オ・セフンは中央のカルリーニョス・ジュニオへパスを通した。背番号10が身体ごとゴールへ飛び込むようにプッシュすると、IAIスタジアム日本平に待ち望んだ熱狂が訪れた。
攻撃力を全面的に押し出している清水だが、28節のファジアーノ岡山戦、29節の東京ヴェルディ戦は、2試合連続のウノゼロ勝利を飾っている。秋葉監督が「勝負強いチームになってきている」と評価していたとおり、この日も1対0で試合終了のホイッスルを聞いたのだった。
通算成績を14勝10分6敗とした清水は、勝点を「52」に伸ばした。順位は3位のままだが、2位のジュビロ磐田との勝点差を「2」に縮めている。
次節は首位を走るFC町田ゼルビアとの直接対決だ。舞台はホームのIAIスタジアム日本平である。47歳の熱血指揮官は「3試合連続完封している固さ、したたかさは継続したい」と話し、「町田を返り討ちにしたい」と力強く語った。