■「ここをターニングポイントにしたい」
とはいえ、自分の中で成長したという実感はある。「キャンプに比べれば自分のできることは増えていますし、練習試合の出場時間も少しずつ与えてもらっているので、そういう意味では成長はあると思います」と話す。実際、キャンプ中の練習試合では、チームメイトの中でも最も短い出場時間だったものの、ここ数試合では先発メンバーに名を連ねている。
そのうえで、「世界のトップレベルの選手とできるというのは今後のサッカー人生においてもなかなかない経験」と話していたバイエルン戦にも出場した。多くの選手に世界レベルを実感させたいという鬼木達監督の想いもあって、多くの選手がピッチに送り込まれていたが、そのバイエルン戦と高知戦が、大関にとっては大きな分岐点になる可能性がある。
「少ないチャンスだったり、ちょっとしたチャンスをものにできる選手が上に行くと思うので、この2試合はチャンスになり得ると思っている。ここをターニングポイントにしたい」
そんな大関にとって、超えるべき壁は2つある。1つは脇坂泰斗という偉大な先輩で、天皇杯の過去2試合、ピッチに送り込まれたのは脇坂だった。大関は、「泰くんのように」と常々口にしてきたが、今回、改めて、「目に見えて超えるべき選手がいるっていうのは自分の中ではいいこと」とプラスに捉える。
バイエルン戦で脇坂は脳震とうの疑いで途中交代し、天皇杯も出場しない可能性が高いが、それでも、背番号14の背中を追っていたからこそ、レベルアップした部分もある。