■またも課題が浮き彫りに
後半開始直後、試合が動く。清水はビハインドを背負う。47分、千葉の得点源となっているFW小森飛絢(ひいろ)に、右足ボレーを決められてしまうのだ。至近距離からのシュートは、GK権田にとってノーチャンスだった。
秋葉監督がすぐに動く。53分、DF岸本武流、DF吉田豊、Fオ・セフンを投入する。61分にはMFベンジャミン・コロリを送り込み、2列目の右サイドに岸本、同左サイドにコロリが立つ。これが奏功した。
66分、乾が左サイドからサイドチェンジをすると、岸本が北爪とのワンツーで縦へ抜け出す。右サイドからのグラウンダーのクロスにオ・セフンがニアサイドへ、その背後からコロリが飛び込むと、コロリが右足でうまくプッシュした。
清水はその後も押し込んだ。CKからのヘディングシュートがクロスバーを叩き、アディショナルタイムにはコロリがGKと1対1を迎える。その直後の直接FKからも、際どいヘッドがゴールを襲った。
千葉のGK鈴木椋大のビッグセーブはあった。しかし、15本のシュートのほとんどが決定機と言ってもいい展開で、3点目を取り切れなかった。
試合後の乾は、「追いつけたのはいいこと。ただ、逆転できたというのはあるので、そこはしっかりやっていかないといけない」と話した。先制点をあげた神谷は「チームの課題をもう一回見直してやっていきたい」と切り出し、「得点後と後半始まったところの5分」を課題にあげた。ホナウドも「後半の立ち上がりは修正しなきゃいけないポイント」と同意する。
試合後の秋葉監督も「内容についてはふたつだけ。後半のゲームの入りと、決定機を決められなかったこと」と声を張り上げた。19節のモンテディオ山形戦、21節のブラウブリッツ秋田戦、前節の大分トリニータ戦で、清水は後半開始早々に失点している。秋葉監督は「毎回、毎回、後半の入りで失点をして、自分たちでゲームを難しくしてしまっている」と厳しい口調で語った。
同勝点のV・ファーレン長崎も引分けたため、J1昇格プレーオフ圏の6位はキープした。しかし、大雨の影響で秋田戦が中止となった首位のFC町田ゼルビアとは、勝点「12」の差がある。
秋葉監督は「このままでは何も変わっていかないので、大胆なことをしなければいけない」とも話した。もう一度アクセルを踏み込むために、指揮官はどんな手を打つのか。