■神戸のけん引役
「帰国パワー」の効果が最もよく出ているのは、もちろん、今季のJ1で好調を保つヴィッセル神戸だ。第20節終了時で2位。ただし首位横浜F・マリノスとはわずか勝ち点3差で、得失点差では上回り、消化試合が1試合少ない。J1は7月15日と16日の両日に行われる第21節で3週間の「サマーブレーク」にはいるが、神戸は台風の影響で延期されていた川﨑フロンターレとのホームゲームがその間の7月22日(土)に予定されており、この試合で勝てば首位に浮上して8月からのリーグ再開を迎える可能性も十分ある。
この神戸を牽引しているのがFW大迫勇也(33歳)だ。2014年から2022年までドイツで活躍し、同時に日本代表でも絶対的なエースストライカーだった。昨年のワールドカップ代表には選ばれなかったが、今季のJ1では絶好調のプレーで神戸を牽引し、19試合で13得点。チームの全得点(38)の3分の1以上を叩き出している。もちろん、日本人選手トップ。「代表復帰待望論」が出るのは当然だ。
その大迫と組み、スピード突破でアシスト役にもなっているのがFW武藤嘉紀(31歳)だ。2015年から2021年までドイツ、イングランド、スペインで活躍、昨年ワールドカップ前には久々に日本代表にも選ばれている。スピードだけでなく、持ち前の強靱な体を生かしたボールキープ、ヘディングの強さも大きな武器だ。今季のJリーグ19試合で8得点は、ストライカーとして十分及第点と言える。