■韓国相手の完勝
日本は決勝戦でも、ライバルである韓国に完勝した。
開始5分で中盤でボールを拾った名和田から道脇豊(ロアッソ熊本)に渡って道脇がファーストシュートを放つと、その後も日本が試合をコントロール。この大会、「序盤戦から攻め込んで早い時間に先制する」というパターンを続けてきた日本は決勝でも早々に主導権を握った。だが、さすがに韓国は最強の相手であり、先制ゴールはなかなか生まれなかった。
日本が韓国を上回ったのは中盤での守備力だった。
中島洋太朗(サンフレッチェ広島)と矢田龍之介(清水エスパルス)のボランチに加えて、前線の選手もプレスバックし、切り替えを速くして複数の選手で相手を囲い込んで中盤でボールを奪い切った。また、韓国がロングボールを使ってきた時も、最終ラインのDFがしっかりと相手のコースに体を入れてボールを奪った。
体の使い方、コースへの入り方など、守備の技術、守備の戦術の面で日本明らかに韓国を上回っていたのだ。かなり激しい攻防が続いたにもかかわらず、前半の日本が反則なしで守り切ったことは特筆すべきことだ。
一方、韓国は守備のディシプリンに欠けた。
前半44分に左SBでキャプテンの小杉啓太(湘南ベルマーレ)からのボールを最前線の道脇が収めた瞬間、韓国のDFコ・ジョンヒョンがファウルで止め、コ・ジョンヒョンはこの試合2枚目のイエローカードで退場となってしまう。
そして、そこで獲得したFKを名和田が直接決めて日本が先制に成功した。名和田のボールの横をこすり上げるようなキックから放たれたボールは、野球でいうスライダーのような軌道を描いてゴール左上隅に突き刺さった。