■デルラン投入で逃げ切りをはかったが…
千葉戦は中川をゼロトップのように配し、野村がその後方で守備ブロックの「間」に立ち、相手につかまりにくいポジションを取る。同時に、1対1に強い藤本が左サイドからチャンスメイクを担う。
0対0で迎えた60分、藤本の仕掛けがPKを誘う。これを野村が決め、大分はリードを奪う。下平隆宏監督は72分、79分と交代カードを切り、運動量と強度を維持しながらゲームをコントロールしていく。
85分にはボランチの池田に代えて、CBデルランを投入する。システムを5バックへ切り替えた。デルランの80分以降の出場は4試合連続で、過去3試合はいずれもリードを守り切っている。現在の大分にとっては、信頼のおける勝ちパターンと言っていい。
ところが、千葉の左CKからの競り合いで、野村がハンドを取られてしまう。PKである。これをFW見木友哉に決められた。
後半アディショナルタイムの直前には、DFペレイラが足を痛めてしまう。すでに5人の交代カードを切っているため、代わりの選手を送り込むことはできない。足を気にするペレイラを前線へ立たせ、大分は1対1で試合を終わらせることとなった。
試合後の下平監督は、「リードして勝てたゲーム。非常に悔しいです」と切り出し、「1点ではこういうことも起こりますし、もったいないと思います」と話した。前半からいくつかの決定機を作り出しながら、最少得点に終わったことを悔やんだのだった。
次節はアウェイでのジュビロ磐田戦だ。その後は中3日でFC町田ゼルビア、清水エスパルスと相対する。後半戦のスタート直後にして、大分はきわめて重要な3連戦を迎えることになる。ここでの結果が、彼らの今シーズンを決定づけると言ってもいい。