「三笘薫選手と大谷翔平選手に通ずるもの」鄭大世インタビュー「サッカー日本代表の壁を突破してくれる存在」#3の画像
サッカー日本代表・三笘薫 撮影:中地拓也

 2022シーズン終了後に現役を引退し、その後のワールドカップ・カタール大会やプレミアリーグなど、解説者としても活躍中の鄭大世(ちょん・てせ)さん。
 彼の解説と言えば、ブライトン所属の日本代表MF三笘薫選手のキレキレのプレーに対し、「ミトマってる」というパワーワードも話題となった。
 そんな彼は、解説者として日本代表や海外で活躍する三笘選手をどう見ていたのか。

 90分に及ぶ独占インタビューの様子を全3回にわたってお届けする!

インタビューに応える鄭大世氏

■「メジャーリーガーの大谷翔平選手に通ずるものがあります」

――今シーズンの三笘選手は、デ・ゼルビ監督との出会いが大きい、とのお話でしたが、それはやはり、信頼を勝ち取り先発や90分間起用され続けた、というところからも見て取れるのではないでしょうか?

 もちろん、それも大きいです。そうした起用法に対して三笘選手が、今シーズンは90分間のフル出場でハードワークもできることを証明した。そのタフさも成長の一つでしょうね。

――気になるのは今後の去就ですが……

 周囲はさらなるビッグクラブへの移籍とかが気になるでしょうが、三笘選手本人は意識してないだろうし、それに影響される様子もありませんね。かつて、1学年上の三好康児選手(ロイヤル・アントワープFC)らの姿を見て、あえてプロ入りではなく筑波大学を選んだように、長い目で自分の将来を見る力があります。

 普通の選手なら、あれだけの活躍をしたら、すぐにレベルの高いチームに行きたいと思うものでしょうが、そういった焦りも見えませんし、そこら辺の姿は、メジャーリーガーの大谷翔平選手に通ずるものがありますよね。純粋にサッカーに打ち込んでいて、それ以外の欲がない。そんなピュアな存在なので、周りにいる我々は、ただ見守るだけです。

――では、続いて日本代表について伺います。ワールドカップでは三笘選手はジョーカー起用でした。第2次森保ジャパンがスタートしていますが、今後はどのように起用されるべきだと思いますか?

 当然、三笘選手はスタメンの中心選手ですよ。プレミアリーグで大活躍する選手なんて、日本代表でも90分フル出場で使わないともったいない。もちろん、後半からの途中出場でも驚異的な存在ですよ。ブライトンの試合でも、今季の終盤戦に、ターンオーバーを採用して、三笘選手が途中交代で出てきた試合がありましたが、ドリブルでぶっちぎっていましたからね。

 ただ、「三笘はジョーカー」というのは起用する側の固定観念であって、三笘選手自身はフル出場だろうが、途中出場だろうが変わらず結果を出し続けてきましたからね。

 カタールW杯アジア最終予選のオーストラリア戦なんて、見ている人が皆「もっと早く出してよ!」と思ったはずですが、本人は、残り10分しかなかったのに、悠然と2点を決めてしまいました。本当にすごかった。これからは、三笘選手を90分間活かせるレギュラー選手の固定や、戦術に重きを置いたチーム作りにしてほしいところですね。

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