■ペルーには日本とは異なる事情があった
ホームで圧勝すると、どこか素直に喜べないところがある。
6月20日、大阪のパナソニックスタジアム吹田で行なわれたペルー戦で、日本代表が4対1の勝利をつかんだ。FIFAランキングは日本が20位でペルーが21位と拮抗しており、ペルーは直前の試合で韓国を1対0で退けていた。6対0で大勝したエルサルバドルよりも歯ごたえのある試合になると思われたが、終わってみれば快勝となった。
ペルーには彼らなりの事情があった。
南米では9月からW杯予選がスタートする。彼らにとっての日本戦は、予選前最後のテストマッチだったのだ。
韓国戦からスタメンを7人変更したフアン・レイノソ監督は、「今回のテストマッチでは選手を入れ替えて2つのチームで戦えると思っていた。今日は2トップで戦うことに重点を置いた」と説明している。
パオロ・ゲレーロとジャンルカ・ラパドゥラの2トップがコンビを組むのは初めてで、「彼らと連携できる選手を多く配置した状態で、そのパフォーマンスを確認したかった」とも話している。結果については満足していないと振り返るものの、「今日はそれを試すタイミングだった」と、テスト的要素を含んでいたことを繰り返していた。
日本のパフォーマンスは悪くなかったし、4つのゴールはどれも素晴らしいものだったが、ペルーが「結果よりも今後につながる要素」(フアン・レイノソ監督)を求めたのは確かである。