■経験値を上げるべし

 日本の年代別代表は、いつの時代でもアジアの大会で苦戦を強いられる。上位4か国に入って世界大会への出場権を確保することはできても、なかなかアジアでのタイトルを獲得できない。U-20アジアカップ(かつてのアジアユース選手権=U-19世代で争われていた)では、日本はわずか1回しか優勝経験がないのである。

 こうした年代別の大会で、日本はたとえばウズベキスタンとは戦力として互角である。

 だが、フル代表では日本は7大会連続でワールドカップに出場し、直近の2大会ではラウンド16に駒を進めている。それに対して、ウズベキスタンはフル代表のワールドカップではいまだにアジア予選を突破できないでいる。

 この“違い”はどこから生まれてくるのか? それが、選手の経験値の差なのだ。

 日本の選手たちはトップリーグに昇格後は、アジア各国のリーグ戦の中で最もプレー強度の高いJリーグという舞台で試合経験を積む。そして、Jリーグで活躍した選手はヨーロッパのトップリーグのクラブに移籍して、さらに高いレベルの試合を経験しているのだ。

 アジアの他国の選手たちは、こうした経験に欠けている。それが、フル代表レベルで日本がアジアでは圧倒的な強さを持っている原因の1つなのである。

 だが、年代別の日本代表は苦しい戦いを強いられている。彼らが十分な経験を積む環境にいないからだ。

(4)へ続く
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