【J2「自滅と進化」】清水エスパルス、ブラジル人MFの豪快ヘッドからの執念の決勝点で初の「ウノゼロ勝利」!超過密日程を勝ち抜く“変化”【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
決勝点を決めたMFカルリーニョス・ジュニオ  撮影/原壮史
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■公式戦連敗、ホーム初黒星の清水はMF乾がメンバー外に

「超攻撃的」が、異なる表情を見せた。

 J2リーグ第20節が6月11日に一斉開催され、10位の清水エスパルスは11位のロアッソ熊本と対戦した。清水は勝点28、熊本は勝点27だ。

 この試合がキックオフされる前に、勝点42で首位のFC町田ゼルビア、勝点32で5位のヴァンフォーレ甲府、勝点30で6位のジュビロ磐田が、それぞれ勝点3を手にしていた。また、1時間前に始まった試合では、勝点34で2位の大分トリニータが勝利している。J1昇格プレーオフ圏に食い込んでいきたい清水にとっては、アウェイでも負けられない一戦である。

 水曜日開催の天皇杯2回戦で、清水はJ3のFC岐阜に延長戦で敗れていた。公式戦2連敗である。さらに、秋葉忠宏監督の就任後は負けなしだったホームのIAIスタジアム日本平で、初黒星を喫した。岐阜戦はターンオーバーで臨んだものの、指揮官は「我々は弱いということ」と厳しい表情で振り返った。

 天皇杯から中3日で迎えた熊本戦は、秋葉体制で攻撃をけん引してきたMF乾貴士がメンバー外となる。FWチアゴ・サンタナのパートナーには、FWオ・セフンが指名された。また、前節のモンテディオ山形戦でゲーム主将を任され、得点を決めたボランチの白崎凌兵もメンバー外である。一方、ここまでチーム2位タイの5得点をあげているMF中山克広が、3試合ぶりにメンバー入りした。

 前半はスコアレスで折り返した。ボール保持率の高い熊本が相手とはいえ、「超攻撃的」にして「超アグレッシブ」な清水らしさを発揮しきれない展開だった。

 だが、実はそこに清水の変化があったのである。

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