【伊藤涼太郎の海外移籍(1)】「伊藤はなかなかいい」シントトロイデンCEOが日本人第3期の筆頭として伊藤涼太郎を獲得したワケ。短期間でのステップアップに期待の画像
J1のピッチで存在感を放ったアルビレックス新潟の伊藤涼太郎 撮影:中地拓也

 6月5日(日本時66日)のドイツ・ブンデスリーガ1・2部入替戦、シュツットガルト対ハンブルガーSV戦を最後に、日本人欧州組の22-23シーズン全日程が終了した。

 イングランド・プレミアリーグで7ゴールと日本人歴代最多得点記録を作った三笘薫(ブライトン)、スペイン・リーガエスパニョーラで9ゴールという光る数字を残した久保建英(レアル・ソシエダ)、スコットランドで公式戦34ゴールを挙げた古橋亨梧セルティック)、ベルギー1部挑戦1年目ながら22ゴールでフィニッシュした上田綺世(セルクル・ブルージュ)など、目覚ましい活躍を見せた選手は少なくない。

 その反面、不完全燃焼に終わった面々もいる。1年でドイツ・ブンデスリーガ2部降格が決まってしまったシャルケ吉田麻也、鳴り物入りでフランスリーグアンに赴きながら18試合出場1ゴールにとどまった南野拓実モナコ)などはその筆頭だろう。

 ベルギー1部・12位に終わったシントトロイデン(STVV)の日本人選手たちも消化不良感の残るシーズンだったに違いない。今季は岡崎慎司シュミット・ダニエル林大地橋岡大樹原大智、シーズン途中まで在籍した香川真司(C大阪)の合計6人がプレーしたが、評価を上げたのはシュミット、橋岡の守備陣くらい。アタッカー陣は軒並み苦戦を強いられた。

「僕ら(STVV)は2018年ロシアワールドカップ(W杯)前に日本人選手に対しての投資をしましたが、その時点では2年おきくらいに選手がステップアップしていくイメージを描いていました。

 その中で、冨安(健洋=アーセナル)、遠藤航(シュツットガルト)、鎌田(大地=フランクフルト)の1期生がうまく飛躍し、その後に来た橋岡ら2期生が今のタイミングでどうなるかという状況です。

 ただ、ロシアからの4年間はここで一区切りで、2026年北中米W杯に向けて新たに作り直すことになる。その3期生はパリ世代やポテンシャルのありそうな期待の選手、日本代表に足りないポジションの選手を考えています」と立石敬之CEOは発言。現有戦力の大半を放出し、新たなスター候補生を補強する考えを示したのだ。

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