■「伊藤はなかなかいい」
その第一号となったのが、今季J1で7ゴールと目覚ましい働きを見せている伊藤涼太郎(新潟)。今週5日、STVVとアルビレックス新潟の両クラブから彼の移籍合意が発表された。今週末11日の京都サンガ戦を最後に日本を離れ、渡欧するという。
1998年2月生まれの伊藤は25歳。岡山・作陽高校から2016年に浦和レッズ入りし、J2・水戸ホーリーホック、J1・大分トリニータへのレンタルを経て、2020年に浦和に復帰した。だが、そこでも出番を得られず、水戸への再レンタルを経て、2022年に新潟へ完全移籍。持ち前の高度な技術と創造性、攻撃の爆発力がようやく開花した格好だ。
「伊藤はなかなかいい」と立石CEOは先月、かなり気に入った様子で話していた。彼ならば、神戸を2019年天皇杯王者へと導いた指揮官・トルステン・フィンク率いる新チームの攻撃に変化をもたらしつつ、短期間でステップアップできる逸材だと高く評価していたからこそ、このタイミングでの獲得に踏み切ったのだろう。
(取材・文/元川悦子)