■仙台は今シーズン初の「2対0」で勝利

 試合は1対0のまま推移していく。両チームともにはっきりと主導権を握ってはいないが、後半は仙台陣内での攻防が多くなる。63分にカウンターから氣田が決定機を迎えるが、ペナルティエリア内からの左足シュートはゴール左へ逸れた。

 直後の67分、仙台が試合を動かす。MF遠藤康の右CKを、ニアサイドの郷家が頭で合わせる。この一撃は相手GKに弾かれるものの、DFに当たってゴール前に残ったボールをCB菅田真啓がすかさずプッシュした。2試合連続途中出場の遠藤のキックの精度も、得点が生まれた要因にあげられる。

 今シーズンの仙台は、2対0で勝ったことが一度もなかった。先制し、相手の攻撃を封じながら、追加点を奪って逃げきる、という試合をしたことがないのだ。

 その一因となっていたのが、リスタートからの得点の少なさかもしれない。CKから奪った得点は3節、5節、8節の3点に限られる。12節の決勝点はCKの流れから生まれたが、それを含めても4点だ。多くはない。

 最終盤にDFキム・テヒョンを投入して5バックに変更し、仙台はリードを守り切った。今シーズン初めて「2対0」で勝利したのである。

 これで仙台は8勝6分5敗の勝ち点30とし、今シーズン最高位タイの7位まで順位をあげてきた。J1自動昇格圏の2位の大分トリニータとの勝点差を「4」まで詰めた。J1昇格プレーオフ圏の6位のジュビロ磐田には、勝点で並んでいる。

 次節はその磐田を、ホームに迎える。直接対決でライバルを叩き、プレーオフ圏に浮上するための大一番だ。

 なお、前節まで2位の東京Vが敗れたため、首位のFC町田ゼルビア(勝点42)と2位の大分(勝点34)の勝点差は「8」となった。これにより、町田が前半戦を首位で折り返すことが確定している。

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