■仙台は現状の「最適解」に辿り着いたか
ジワジワと、順位を上げている。
J2リーグ第19節が6月3、4日に開催され、9位のベガルタ仙台は2位の東京ヴェルディとのアウェイゲームに臨んだ。両チームの勝点差は「6」で、どちらにとっても重要な6ポイントマッチである。
仙台は15節のモンテディオ山形戦から、4戦負けなし(3勝1分)と調子を上げている。スタメンの入れ替えはふたりだけで、FW中島元彦が2試合連続で、FW山田寛人が5試合連続で先発に名を連ねた。伊藤彰監督は開幕から様々な組合せを試してきたが、2列目右サイドにMF郷家友太、同左サイドにMF氣田亮真を配し、中島がセカンドトップ、山田が1トップの立ち位置を取る組合せが、現時点での最適解となっているようだ。
この4人の組合せは、確かにバランスがいい。右サイドの郷家は外に張り出さず内側に立ち、中島とワンタッチのパス交換ができる距離感を取る。彼らふたりが相手を惹きつけることで、右サイドのスペースが空く。タッチライン際のそのスペースは、上下動を繰り返せる右SB真瀬拓海が存分に活用する。
左サイドの氣田は、タッチライン際まで張り出して相手の守備ブロックを広げつつ、得意のドリブルで仕掛けていく。氣田がカットインしていくと、左SB内田裕斗が外のレーンを使う。
山田の後方に立つ中島は、ダブルボランチ付近まで下りてボールをさばくことがあれば、山田を追い越してDFラインの背後へ侵入する。
先制点も中島の動き出しが生み出した。真瀬のパスに反応してポケットに潜り込むと、内側への切り返しが相手CBのファウルを誘う。PKである。中島が自ら、豪快にど真ん中に蹴り込み、仙台は17分に先制した。