■日本代表からJ3まで見える成長
先日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝では、浦和レッズがアル・ヒラルを相手に粘り強い守備で対抗して2試合を1失点で切り抜け、カウンターとセットプレーから得点して3度目の優勝を飾った。
アル・ヒラルは、豊富な資金力を生かして個人能力の高い選手をそろえたチームだった。普通に戦ったら、準決勝でのアル・ドゥハイルのように大量失点を喫してしまう可能性すらあった。
そんな相手に、ゲームプランを徹底して粘り強く戦って競り勝ったあたりが日本のサッカーの30年間の進歩を示していた。アジアで、これほど緻密な戦術的なサッカーを繰り広げているリーグはJリーグ以外にはないのだ。
もう「日本には守備の文化がない」などとは誰にも言わせない。いや、ワールドカップでの日本代表はACLでの浦和レッズの戦い方を見れば、日本のサッカーは“狡猾”であると思われているのかもしれない。
そういえば、5月13日の東京ヴェルディ対FC町田ゼルビアの試合も、非常に激しい戦いであり、両チームの様々な駆け引きが詰まった緊迫感のある試合だった。J1リーグはここ数年でかなりレベルが上がってきているが、その波は着実に下部リーグにも広がっている。J3リーグも、これからはJFLへの降格があるので、急激にプレー強度が上がっているような気がする。
こうしたコンペティティブな試合が展開されるようになってきたこと。これも、Jリーグ30年の歴史があればこそなのである。