■驚きが続く日本代表での選外

 そこで浮上するのが、現在セルティックで攻撃的なMFとして活躍する旗手怜央の左サイドバック起用である。

 旗手は2022年1月に川崎フロンターレからスコットランドのセルティックに移籍、デビューから2戦目で鮮やかなミドルシュートを決めてファンの度肝を抜いた。2シーズン目を迎えた今季は、4-3-3システムの「インサイドMF」として完全に中心選手となり、実力を遺憾なく発揮している。「シーズンのMVP」に推す専門家も少なくない。

 しかし昨年のワールドカップでは選外。ことし3月の代表活動にも招集されず、日本だけでなくスコットランドでもファンに大きな衝撃を与えた。昨年来のセルティックでのプレーを追いながら、私自身、旗手なら攻撃的ポジションのどこでも十分チームに貢献できると考えていただけに、ワールドカップからもことし3月の活動からも漏れたのには少なからず驚いた。

 だが3月の日本代表2試合を見ながら、旗手を左サイドバックとして育ててみればいいのではないかと考えるようになった。ウルグアイとコロンビアを相手に左サイドの攻撃を担当した三笘薫(ブライトン)が期待どおりの活躍ができなかったのは、左サイドバックからのサポートが足りなかったためだ。左サイドバックがもう少し気の利いたポジションを取れていれば、三笘が自分の得意とする間合いでボールを受ける回数が大幅に増えていたはずだ。

(2)へ続く
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