森保ジャパンが再スタートを切っている。次回ワールドカップに向けて、あらゆる角度からチームのレベルアップを目指している日本代表で、サッカージャーナリスト・大住良之は、ある選手に注目している。選外の続く旗手怜央に、1982年ワールドカップでの伝説的「黄金の4人」ではなく「黄金の5人」と呼ばれるべきだったブラジル代表選手を目指すべきだと説く。
■森保ジャパンの泣きどころ
「森保体制第2期」がスタートした日本代表、選手層が厚すぎて優秀な選手をベンチに置かざるを得ないポジションもある一方で、手薄、あるいは決定的な選手に欠けるポジションもある。そのひとつが左サイドバックだ。
3月の2試合(ウルグアイ戦、コロンビア戦)では、伊藤洋輝(シュツットガルト)とバングーナガンデ佳史扶(FC東京)の2人がこのポジションに起用された。しかしともに「合格点」とは言えず、「人材不足」は明白だった。
伊藤は左利きの長身選手。所属クラブではセンターバックとしてプレーしている。ヘディングが強く、元来はボランチだったこともあって視野が広く、ロングパスも正確だ。だが味方とからんでサイドを切り崩し、チャンスをつくるという重要なポイントでとても物足りない。ウルグアイ戦では左サイドバックとしてフル出場し、コロンビア戦ではセンターバックとして先発、後半14分にバングーナガンデから瀬古歩夢(グラスホッパー)への交代が行われると、残り時間を左サイドバックとしてプレーした。